空気系とエロゲの冗長化について -どこかで見た議論-

さて何度か書かせて頂きました空気系記事。大分話も落ち着いてきたところで再びひっそりと言及。今回はちょっとアプローチを変えて見ます*1。実は樹海エンターテイナーさんで大本の話が出たときに最も気になってた部分は実は

エロゲー冗長化は空気系作品群への歩み寄りではないか?」

http://blog.livedoor.jp/m_s_r/archives/50629525.html

この部分だったりします。ちょっと思うところがあったので。
自分はエロゲー冗長化していることが空気系への歩み寄りを狙ったものというより、エロゲー冗長化していることが結果として空気系に近づいているように見えてしまっているだけだと考えています。
最近のエロゲはとにかくシナリオ重視型が主役です。近年の売り上げ上位のソフトを見ればそれは明らか・・・というよりもはやエロゲをする人間の一般的な認識ですらあるのではないでしょうか。はてな2chでシナリオの解釈についての議論が盛り上がる様を見ても間違いないという所だろうし現にそれに魅せられてエロゲを始めた人間も多いはずです。自分もそうだし。様々な制約がありながらも個性的で独自の、ひとつの物語を伝えるメディアとしてのエロゲの役割は大きく、そして強いものとなっているます。
しかし一方でシナリオ重視という業界の傾向はエロゲのボリュームインフレという問題を引き起こしています。これがまた大問題。

1999年にゲームメーカーに勤め始めた頃、8800円のアダルトゲームで、1作品の平均的なシナリオ量は700〜900KBでした。制作管理をしていたので、その辺の数字は結構覚えています
(中略)
しかし、独立する直前の2005年に、そのメーカーから出していた商品は、通常で1.2〜1.7MBのシナリオ量、年末商戦用の商品の場合は3MB超えも珍しくない状態でした。

テキストは、6年で、約2倍。
しかし、一方で、グラフィック枚数は6年間で殆ど変化していません(だいたい、1作品あたり平均すると、80〜90枚)。

つまり、どうなるかと言うと―――

『冗長で、中身スカスカ』
エロゲのボリュームってどう思うよ?(個人的意見その2): ああかむゲーム制作日記

そんなにエロゲをやった本数が多いわけではないけどやはり無駄に話を引き伸ばしているように感じるエロゲはやはりあると思う。具体例は流石に挙げないけど・・・で、無駄に話を引き伸ばすにはどうしたらいいか。話の本筋に大きく絡まず、なおかつテキスト量を増やしてボリュームがあるように見せかける。となるとやはりだらだらと日常を書くしかなくなっていくわけですよね。んでそうやってしょうがなく書かれている日常が空気系に近づいているように見えてしまうようになっているんじゃないでしょうか。

やっと本題ってところで一区切り。続きはそのうち書きます。今度は確実に。

*1:前回のことは企画倒れに終わりました。よくあることです