同人ゲーム「ひまわり」について2 - 普通の同人エロゲ -

ぶらんくのーと
総合的には結構普通だと思うのです。このゲームは。
最初から最後までを冷静に見ていけばそこまで突き抜けた個性があるわけではない
シナリオにも矛盾点が結構あったりするし、テキストの質にも落差が結構大きい。そういえば結末もなんか普通だったよね。突っ込み始めるときりがありません。
絵もまあ普通*1。背景、音楽はフリー素材が多用されているし、なんか誰でも作れそうじゃね?テキストさえ書ければ。


だから思うのです。実はひまわりクラスのゲームは実は複数ある、あるいはあったのではないかと。
もしかしたらそれらは誰の目にも触れず、誰にもプレイされぬまま消えていってしまったのではないかと。
だとしたら我々エロゲオタはなんと無力なのでしょう。
なんのためにこれだけバグだのパッチだの未完成だの曲芸商法だの、Nice boat.だの、ユーザを舐めきったような商売をする業界から出てくる8800円という嫌に高いソフトを月何本と買い続けているんでしょうか。
1300円程度でこんなソフトが買えてしまうではないかと。イマまで見てこなかっただけでこっちの世界にも素晴らしいゲームがあるではないかと。
年に2本ぐらい、こんな話が読めるならもうちょっとエロゲオタやっていけるなとか、やっていこうとか思える作品があるけど、「ひまわり」はまさにそういう作品でした。
これからは年に500本近く出るエロゲ、コンシューマーでたまに出るオリジナルのノベルゲームに加えて同人業界の作品までいちいちチェックしていかねばならんのか。


しかもひまわりは完全にただのロリエロゲの皮を被っていました。
パッケージは地味だし、"ロリっ娘宇宙人同棲ADV"とか書かれてるのに裏に出ているのはタオル一枚の明香(xx)*2。どうみてもロリじゃありません。おっぱい的に考えて。
正直何も知らなかったら5秒で棚に戻しますね。俺なら。なめてんのかと。


こういうことがあるともう本当にどうしろというんだと思います。この積んでばかりのエロゲが目に入らんのか。これに加えて今度からはエロゲ業界と比べても、さらに得体の知れない同人という世界に踏み込んで、我々は良作を、これのためにエロゲをやってるんだと思えるような作品を探すために日夜積みゲを崩さなければならないのです。
ひまわりの一番の罪はこれだけの作品を作り出してしまう土壌が同人の世界にも確かに存在することを、私と、この界隈のエロゲヲタ諸君に知らしめてしまったことですね。


と思ってしまうほどこのひまわりという作品は素晴らしかった。
特に「2048 アクアルート」でのテキストのクオリティ、全体に漂う緊張感、次第に解けていく謎、そしてアクアというキャラクター。*3
今の時代、様々なメディアで様々な物語が作られ、語られますが、これだけのものはどこの世界でもそうそう出会えるものではありません。
「ひまわり」はまた、同人作品の底力をも見せているのではないでしょうか。


魔女 - ぶらんくのーと: スタッフ日誌
この勢いを力に。がんばれぶらんくのーと

*1:俺は好きですけどね。アクアとかアクアとかアクアとか

*2:年齢は書かないよ。

*3:アクアの素晴らしさはまともに語ると容量過多ではてなのHDDが飛ぶので止めておきます。大幅縮小版はそのうち。