Katawa Shoujo act.1 Preview レビュー - オタクの言葉は難しい -
Katawa Shoujo
なにかと話題のかたわ少女。とりあえず体験版ということで登場人物が全員出るところまでやってみました。
ここまで、なんというかJapanese Eroge-Likeな作品が外国人を中心にして作られたと言うことに驚きを隠せません。
とにかく想像以上に完成度が高い。演出、音楽等かなりハイレベル。イマ日本にある一般的な同人エロゲと比べても全く遜色ありません。
物語としては本当に「普通」。普通の学園ものエロゲです。
転校して来た主人公、何故か寄ってくる美少女たち、変な同級生の友人、生徒会の勧誘、メガネ、いいんちょ、ピンク髪、お嬢様、ロリ、恥ずかしがり屋、ツンデレ?
よりどりみどり。本当に良くある学園ものなのですが・・・・というのが進めてみた感想です。
しかしやはりこの長さの英文を読むのは厳しい。
普段から仕事で英語は使う方で、さらに分からない単語や表現はある程度類推で読み進めたり重要でなさそうであれば無視して進めたりしましたがそれでも全キャラ登場まで約5時間。
だれか にほんご たのむ って感じです。
"translation projects for KS in Hungarian, Lithuanian, French, German, Spanish, Dutch and Chinese."
翻訳Projectも各国で始まっていますが、日本語に関しては難しいそうだなあと。
Katawa Shoujo Dev Blog: 日本語訳ボランティアを募集しています
日本語というのは恐ろしい言語で、僅かなしゃべり方の差がキャラクターの性質を定義してしまうところがあります。
そしておそらくこの感覚を理解できるのは日本語のネイティブたる我々だけでしょう。
Clannadアニメで芽衣ちゃんが「おにいちゃん」と言う場面の台詞と、流石兄弟が「なあ、兄者」という台詞を両方「hey, brother!」で括ってしまう言語に「オタク的文脈」を表現できるのでしょうか?その受け手は理解できるのでしょうか?*1
彼らが何を指向しているか分かりません。ただ単にエロゲのメディアとしての特色にストーリーテラーとしての可能性を見出してこの作品を作ったのかもしれません。
しかし本作のデザインがあまりにも、自分から見るとオタサイドに寄っているため、オタクのメディアで語られる作品としてかたわ少女を読んだ時、どうしても英語という言語がオタクの使う言葉としての力を欠いているということを意識せずには居られません。もちろん私の英語に対する知識、経験不足故かもしれませんが・・・・・
そりゃあ月の言語とでも言いたくなるのでしょう。日本語を。
何はともあれ、とりあえず英語の勉強だとでも思ってやってみてください。
プロローグの読み辛さに閉口したという方がtwitterを見ても多かったですがそれが終わればサクサク行けます。
英語でエロゲをやるってのも中々新鮮ですよ?
参考URL
http://en.wikipedia.org/wiki/Moon-speak
Clannad - Onii-chan~ - YouTube
田村ゆかりがOnii-chanと言っていることの意味と意義を世界へ!
ゲームである奇跡、ゲームである悲劇 - ロストカラーズレビュー -
『ロストカラーズ/限定再装版』
レビューを書く前に、このゲームをインストールしたフォルダの更新日時を見てみました。
昨年の9月。クリアしたのは3月末だったので約半年、このゲームのクリアに時間がかかったことになります。他のものでもこのぐらい時間のかかるものはもちろんあります。テキストの量が多かったり、途中で読み進めるのに飽きてきたり、優先順位の高いゲームが出来てしまったり理由は様々です。
しかしロスカラでは違いました。純粋に、ゲームとして前に進めることが出来なかったのです。
物語が進むことの喜び
いやはやクリアするまでに何度ディスプレイを叩き壊したくなったことか。
詰まるんですよ。とにかく詰まる。何をやっても同じテキストがループするばかり。
なんだよこの糞ゲー、どうしろと。何がしたいんだと。もう知らねえYO!と思って投げたあとでそしてどう進めるべきか分かったときのあの快感。そんなのありかよ!とか、なんでこんなことに気づかねえんだよという自分への怒り。
もうたまらんです。楽しすぎです。ドMです。
読むゲーム、聞くゲーム、見るゲーム、そして解くゲーム
驚きました。
テキスト型のADVがここまでゲームっぽくなるんだということに。
もちろんエロゲの中にもゲーム要素が強いと言われるものもありますがその大半は中にRPGやSRPG、STGをそのままはめ込んでいるだけです。ありがちな2、3個の選択肢の中からの単純な選択によって話を進めていくことがゲームになっているのか?という話は散々議論されていますが個人的にはねーよwと思います。
どれを選んでも攻略対象が変わるだけなんて、ねえ?
本作はADVの中に見事にゲームとしての要素が溶け込んでいます。読んでいないと、見ていないと、聞いていないとクリアできません。ADVの要素をフル活用して、ゲームとして作品を構築しています。
個人的にはこのソフトハウスの作品を進めるためには「ANOS脳」とでも言うべき特殊な思考回路が必要だと思います。何が物語の鍵になるか?最初は、というか最後までいや、わかんねえって、そりゃねえってって感じです。
頭を切り替えましょう。今までプレイしたどんなゲームとも違うはずです。
ゲームである悲劇
ロストカラーズは物語としても素晴らしいです。あのすば*1からの流れを含め、ループものに対する書き手としての悩みとか、試行錯誤とかが見えてとても面白い。所謂ループものを語る上で欠かすことの出来ない作品と思います。
しかし、キャラクターがどうとか、物語がどうとか、単純にストーリーテラーとしてエロゲを見ている人にとって本作はもしかしたら耐え難いものなのかもしれません。
クリックするだけでは、ページをめくるだけでは話が進まない物語に対して皆様はどう思われるのでしょうか?
中々受け入れてもらえないような気がしています。
エロゲ、読んでますか?見てますか?聞いてますか?
このゲーム、我々のADVに対する取り組み方*2が試されているのだと勝手に思っています。
普段どのようにテキストを読み、立ち絵の変化を楽しみ、音楽の変化に対して作り手の意図どうを考えるか等々・・・・
プレイした方に聞いてみるとなるほどなと思うのです。
普段エロゲの感想など話してみてもこの人はよく読んでるなあという人はやはり詰まる回数が少ないように思います。エロゲというメディアに含まれる要素を最大限まで楽しんでいるのでしょう。ちなみに私は詰まりまくってました。ええ、流し読みばっかりですよ。そうですよ。
このゲーム、全エロゲーマー*3に薦めます。価値観が変わると思います。
是非プレイしてみてください。自力で進めてください。そして悩んでください。
クリックしてれば終わるはずのテキスト型のADVで「詰まる」というおそらく大半の人にとっては経験の無いであろう苦しみをtwitterにでもなんでも、垂れ流してください。
私はただその様子を、ヒントを小出しにしながらニヤニヤして見ていますので。
もし、何か起こって困ったり、迷ったり、怒ったりした事があったら、出来れば思い出して欲しいんです。
目的を達成する為の過程にも意外と価値があるんだって事を。
そしてそれは最初の目的より価値が出ることも有るんだってことを。
自分が当然だと思っていた価値観は、ちょっと視点を変えるだけで変わることもあるんだって事を。
ロストカラーズ作中より
実は第二回。ひまわりオフしようぜ!
もう初回の頒布から1年半が経とうとしています。
物語とはどこまでも消費され、忘れられていくものです。
例外は存在しません。忘れられるまでが長いか*1、短いか。それだけです。
ドラマCDは思わぬ豪華声優陣となりました。どうやら漫画化も決定した模様です。この界隈で訳の分からん理由をつけてどうせ売れない、どうせすぐ消えると騒いでいたのもイマは昔。着々と売れ線のルートを歩んでいます。
ただ、本作、ぶらんくのーとを含め、おそらくはまだ一度も市場の評価を受けていません。複数のメディアに展開されていっていることだけは分かりますが、結局この物語は世に受け入れられるのでしょうか?ここまでやっといて全然売れなかったらどうしましょうなどといらぬ心配をする今日この頃です。
ぶらんくのーと自体の動きも今ひとつ読めません。
こもれび、かげろうという外伝的位置づけの2作も出ていますがひまわりという一本からはなんとなく外れていっているように思えます。
良作とも面白いので文句はありませんがあれだけ登場人物も含め、あれだけ出来上がった世界を終わらせてしまうのはあまりに勿体無い。
作者のごぉさんもガンガンOnlineにオリジナルの作品を発表するなど、もう同人のADV、ましてそのなかの一つの作品にこだわる必要性はもはや皆無でしょう。
これからどこへ向かうのでしょうか?
と言う感じでこれだけ時間が経ったイマでも結構ネタはあるかと思います。
正直私は、アクア/田村ゆかりの是非だけで半日潰せる自信がありまっせ。
さてこれだけ特殊な状況に置かれてしまった本作、今更ですが
このゲームに何を見たのですか?これから何を見ますか?見たいですか?
是非、貴方の話を聞かせて下さい。
参加ご希望の方はtwitterのろく。 (@sixty_seven) | Twitterまで@、ぶくま、コメントなど私が見そうなところであればどこへでも連絡ください。日程等は以下のとおりとします。
日時 2009/3/21(土) 18:00〜
場所 中央線水道橋駅付近
向日葵(水道橋/割烹) - ぐるなびの予定。偵察に行ってから決めます
以下のとおり変更します
日時 2009/3/21(土) 18:00〜
場所 秋葉原駅電気街口付近
ぐるなび - レストラン予約と宴会・グルメ情報 検索サイト
やたら変更して申し訳ありません。集合場所変更しましたので注意頂くようお願いいたします。
参加者(12名)
id:sixtyseven id:maname id:d-eichi id:winningstar id:kim-peace id:f_black id:ryoxo id:takshiaikou erika cruz ortiz (@solacon) | Twitter id:makoyu id:hasidream id:boss_k id:luxin
めんどくさいのでスターのみの方も全員参加とさせていただきました。無理だったら言ってくだされ。
参加したい方、イマからでもどぞー。
アクアかわええあるよ。
*1:2000年ぐらい忘れられていない物語もありますが・・・
ロリコンじゃないから恥ずかしくないもん!- むすめーかーレビュー -
そう、全く問題ありません。このゲームの登場人物は全員18歳以上。
この世界でロリコンっていったら一桁だからね!
お詫び
とりあえず本作をしないまま、2008年のエロゲを語ったことを心から恥じる。
調教SLGADVというジャンル、度重なる延期、そしてこの外見のキャラクター・・・・・本当に良く出した*1。
SLGパートがしっかりと本編とリンクしやりがい?があるしテキストのクオリティも中々。
軽いノリの外見とは裏腹にディテールにこだわり非常に丁寧に作られた良作だったと思います。
どのルートも公式から予想していたエロゲをやったとは思えない、穏やかな読後感でした。
DegitalCute・・・恐ろしい子!
グラフィックの凝り方、CG、エロシーンの量、ミニゲーム、この作りこみ方は凄まじいと思います。
特に確実に売り上げが欲しいはずの処女作であえて最近見ない調教ADVにしたというのがまた良い。
なんというかこう、攻めて来るブランドって大好きです。
あとは少しコツをつかんでしまうと完全に作業になってしまう難易度だけが残念。
レベルごとに増えるコマンドを各キャラクターで変えて、効果にも差を付けたりしたらも面白いと思った。
結果各人の伸びやすいパラメーターに応じた調教や接待が出来るとかね。
妄想は無限大!
何はともあれ最近では最も楽しく、エロいゲームに近づいていたと思います。
もう一息、一息だけ工夫と頑張りがほしかった。次回作に期待です。
変態!変態!
エロシーンは・・・・もう凄まじいです。数も中身も。
ありとあらゆる穴に色々突っ込んだり出したりします。中にはかなりアレなシーンも。
そういう意味では素人にはオススメできませんね。
特化か?意外性か?
このゲーム、終盤になるとがらりと雰囲気が変わります。本当に同じゲームかと思うほどに。
こういった意外性を持つゲームは大好きです。
ただのロリ調教ゲーだと思っていたらいつの間にか熱い戦闘をしていたり、
学園ものだと思ってたらいきなりヒロインが交通事故にあって泥沼になったり、
ただの馬鹿と思っていた署長がいつの間にか特攻を始めたり、
ロリっ娘同棲アドベンチャーだと思ってたらいきなりSF的な展開になるアクアゲーとか大好きです。
しかしここまでエロに特化したゲームをここまで曲げてしまって良かったのでしょうか?
触手ゲーが途中からエロシーンが無くなって超大作泣き触手ゲーになった!とかだったら俺は切れるね!
とりあえず最後は泣きゲーっぽくしてみようぜwwwwwww的考えが透けて見える抜きゲーが一番嫌いです。最後まで監禁触手陵辱で通せよと。エロゲの意外性とは、そういう危うさも持っているのではないでしょうか。
いや、本作は面白かったからいいんですけどね。
まとめ。
どこを見ても非常にクオリティの高い良作。変態ロリコンエロゲヲタ紳士諸君は是非プレイしてみてください。
参考:
http://d.hatena.ne.jp/d-eichi/20090116#1232111429
*1:性的な意味で
■
さあ、早くむすめか学習帳を探す作業に戻るんだ
エロゲにおける売上と評価の格差2008 - 売上≠評価、評価≠売上 -
毎年恒例・・・かどうかはわかりませんが今年も作ってみました。
エロゲにおける売上と評価の格差 2001~2009年 - sixtysevenの日記 - 美少女ゲーム年代記
結果はやはりこちらにも保管。
bne.jp
集計人様、今回もご苦労様でした。
売上順位 | タイトル | ブランド | 人気-売上 | タイトル(人気順) | ブランド | 人気-売上 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | FORTUNE ARTERIAL(フォーチュン・アテリアル) | オーガスト | -9 | スマガ | ニトロプラス | 40 | |||||||
2 | ToHeart2 AnotherDays | Leaf | -82 | G線上の魔王 | あかべぇそふとつぅ | 7 | |||||||
3 | リトルバスターズ!エクスタシー | Key | -2 | るいは智を呼ぶ | 暁WORKS | 27 | |||||||
4 | 真・恋姫†無双〜乙女繚乱☆三国志演義〜 | BaseSon | -12 | コンチェルトノート | あっぷりけ | 39 | |||||||
5 | D.C.II P.C.〜ダ・カーポII〜プラスコミュニケーション | CIRCUS | -36 | リトルバスターズ!エクスタシー | Key | -2 | |||||||
6 | タユタマ -kiss on my deity- | Lump of Sugar | -31 | 超昂閃忍ハルカ | ALICESOFT | 3 | |||||||
7 | 闘神都市III | ALICESOFT | -10 | ウィザーズクライマー | ソフトハウスキャラ | 20 | |||||||
8 | G線上の魔王 | あかべぇそふとつぅ | 7 | さくらシュトラッセ | ぱれっと | 9 | |||||||
9 | 超昂閃忍ハルカ | ALICESOFT | 3 | 漆黒のシャルノス -What a beautiful tomorrow- | Liar-soft | 41 | |||||||
10 | つよきす2学期 | きゃんでぃそふと | -163 | FORTUNE ARTERIAL | オーガスト | -9 | |||||||
11 | ティンクル☆くるせいだーす | Lillian | -10 | 霞外籠逗留記 | raiL-soft | 39 | |||||||
12 | 暁の護衛 | しゃんぐりら | -11 | Princess Frontier | AXL | 38 | |||||||
13 | プリンセスラバー! | Ricotta(リコッタ) | -27 | プリマ☆ステラ | アトリエかぐや | 8 | |||||||
14 | ヨスガノソラ | Sphere(スフィア) | -24 | Maple Colors 2 | APRICOT | 36 | |||||||
15 | さかあがりハリケーン | 戯画 | -17 | 戦女神ZERO | エウシュリー | 18 | |||||||
16 | 春色桜瀬 | パープルソフトウェア | -122 | 真・恋姫†無双 -乙女繚乱☆三国志演義- | BaseSon | -12 | |||||||
17 | さくらシュトラッセ | ぱれっと | 9 | 闘神都市III | ALICESOFT | -10 | |||||||
18 | ef - the latter tale. | minori | -6 | 11eyes -罪と罰と贖いの少女- | Lass | 2 | |||||||
19 | かみぱに! | クロシェット | -11 | クロノベルト -あやかしびと&Bullet Butlers クロスオーバーディスク- | propeller | 31 | |||||||
20 | 11eyes−罪と罰と贖いの少女− | Lass | 2 | とっぱら -ざしきわらしのはなし- | キャラメルBOX いちご味 | 30 | |||||||
21 | プリマ☆ステラ | アトリエかぐや | 8 | ティンクル☆くるせいだーす | Lillian | -10 | |||||||
22 | ほしうた | フロントウイング | 36 | 天ツ風 -傀儡陣風帖- | ninetail | 28 | |||||||
23 | 暁の護衛〜プリンシパルたちの休日〜 | しゃんぐりら | -10 | 暁の護衛 | しゃんぐりら | -11 | |||||||
24 | しゅぷれ〜むキャンディ〜王道には王道たる理由があるんです!〜 | 枕 | -28 | ef - the latter tale. | minori | -6 | |||||||
25 | 夏空カナタ | ゆずソフト | -35 | 借金姉妹2 | Selen | 9 | |||||||
26 | 君が呼ぶ、メギドの丘で | Leaf | -48 | てとてトライオン! | PULLTOP | 3 | |||||||
27 | ウィザーズクライマー | ソフトハウスキャラ | 20 | 殻ノ少女 | Innocent Grey | 23 | |||||||
28 | 水平線まで何マイル? - Deep Blue Sky & Pure White Wings - | ABHAR(アーヴァル) | -18 | BackStage -バックステージ- | HOOK | 22 | |||||||
29 | てとてトライオン! | PULLTOP | 3 | 彼女×彼女×彼女 -三姉妹とのドキドキ共同生活- | ωstar | 11 | |||||||
30 | るいは智を呼ぶ | 暁WORKS | 27 | かみぱに! | クロシェット | -11 |
結果はごらんのとおり。売上50位以内に上らなかったにもかかわらず人気30位以内に入ったものについては数値を赤くしてあります。
今年の売れなかった割に人気があるソフト大賞はLiar-softの漆黒のシャルノスということになりました。ライアーは系列のraiL-soft作、霞外籠逗留記も上位にランクイン。相変わらず売れなくともコアなファンに支持されているということでしょう。
ちょっと見にくくなってしまいましたが今年から売上上位ソフトに関しても人気-売上の値を併記してみました。中にはかなり刺激的な数字が出ているものも・・・ここまでくると人気が有る無し以前に、注目度があまりに低かったと言ってもいいのではないでしょうか。
主要スタッフ二人が抜けてしまったつよきすはアニメ化の影響もあり、売上は良かったようですがエロゲネタ板にくるような層からは見放されてしまった感じです。leafの2本もちょっと悲惨なことになっています。たとえば葉鍵板でも宣伝していればもっと違った結果になっていると思いますがそれはまた別の話。
今年だけこのような数字を出すと今年は上位作品が全然駄目だったんじゃ・・というように思われるかもしれませんが、どの年で出してもだいたいこんなもんだと思います。
年 | 投票者数 | 50位以下 | |||
---|---|---|---|---|---|
2001 | - | 10 | |||
2002 | - | 14 | |||
2003 | 623 | 7 | |||
2004 | 441 | 11 | |||
2005 | 497 | 5 | |||
2006 | 488 | 9 | |||
2007 | 385 | 14 | |||
2008 | 521 | 9 |
今年は投票者数も多く良くも悪くも盛り上がったベストエロゲ投票でした。
とりあえず結果だけ。個人的な意見やオススメはまた後日書くことにします。
その他参考
http://blog.livedoor.jp/basicchannel/archives/51585173.html
erogamescapeと関連づけたランキング。こちらも面白い。
エロゲヲタが読んだ、「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」
とある飲み会で某大手ラノベサイト管理人様と本作品について話す機会があり、色々と思うところがあるのでレビューしてみる。
いや、ここにでは実際に思ってることの3割ぐらいしか表現できてないと思いますが。
ニュースサイトを劇中に登場させること
そもそもこの作品が話題に上ったのはオタク系ニュースサイトを劇中に登場させていたことでした。
積極的な宣伝をお金を使う客の割合が多いと思われるオタク系ニュースサイトに行わせることは、低コストで最大限の宣伝効果をもたらすであろうと思われます。
ちなみに3巻で出てくるニュースサイトの最有力候補は冗談抜きでまなめさん家だと思ってる。
ラノベも工業製品になるの?
やはり最も強く感じたのは遂にラノベも万人に受け入れられようとする試みをライターレベルで始めたのではないかということです。
本作品の桐乃は多趣味すぎます。
コンシューマー、エロゲ、BL同人、ネトゲ、フィギュア等様々な
「あるある」をするラノベ、という点を見ればこれは属性を幅広くカバーしようとしていることに他なりません。
エロゲで言えば幼馴染み、姉、ロリ、ツンデレ、ヤンデレ、えすでれ、姪、メガネ、男の娘ありとあらゆる属性持ちに向けたキャラクターを揃えてみました。さあ攻略してくださいという感じでしょうか。
エロゲオタからみるとこの作品にはAugust作品と共通するものを感じます。
尖ったところは無くとも、全体的なクオリティを高め、多くの読者に受け入れられる世界観、キャラクターを作り出し、より多くの人間に売り出し、より多くのグッズを売り、儲けて次の作品の質につなげる。
ラノベはどちらかというと尖った作品がたまたま多くの読者に受け入れられているという印象を持っています。
たとえば涼宮ハルヒの憂鬱なんていうのは萌えの皮を被った恐ろしく尖った作品だと思うし。
そういった特例に頼りきれなくなった結果、こういった作品が出てきたのでは?
あくまでエロゲオタから見ればですが。
結局面白いの?
なにはともあれ作者の腕は自分の知る限りにおいてはかなり上に来るのではないかという印象です。
正直なところ、シナリオ的には2巻の途中からはあまりのテンプレな展開に読むに耐えないレベルだとすら思いましたが、テキスト自体は非常にテンポがよく、沙織をはじめとする個性的なオタたちと桐乃の掛け合いも面白いため結局最後まで読んでしまいました。
個人的にはこの作者の他作品がどのようなシナリオで、どのようなテキストを書いているかにとても興味があります。後書きを読む限りは編集の作品に対する介入がかなりあったと思われ、そこでどのようなバイアスをかけたのか非常に興味のあるところです。これは気が向いたら後ほど言及することとします。
最後に
今年はラノベとエロゲ、もっと書く側、読む側智に交流が増えると良いなあと思っています。
この両メディアは非常に親和性が高いと思われるし、エロゲで面白い作品をラノベ畑の方が読み、ラノベで面白い作品をエロゲオタが読む機会がもっと増えればいいと思っています。
個人的には面白い物語が読めればそれで良いと思っているところもあるのでこのサイトでも面白いと思ったり興味を持った作品はどんどん紹介したいなと。やっぱりメディアの種類にかかわらず面白い物語を読みたい!というのがこのあたりに住んでいるオタクの最も大きな欲望であると思うし、そういった作品を探し当てるお手伝いを当サイトで出来たら、紹介しあえたらいいなあと思います。
そんな感じで今年もグダグダと更新していきますのでよろしくお願いいたします。