素晴らしき「ふられ萌え」の世界


さて、この記事の題名は当初は"私はここに新ジャンル「振られ萌え」を提唱する!くたばれ愚民共!!"ぐらいのテンションのものだったのですがこんな記事を見つけましたので控えめになりました。
ふられた子を、救ってあげ隊。「ふられ萌え」の美学 - たまごまごごはん
凡人のアイディアなんて大体が誰かがすでにとおり過ぎた道なのです。

もういいよ。デレは

そう、デレる必要なんて最初から無かったのです。なんだよデレって。
物語の価値を決めるのはデレではない。そんなものはエロゲだけでやっとればよいのです。どうせデレなんてエロシーンにつなぐための理由でしかありません。
最後までツンで通したけど実は・・・みたいなのが最高なのです。

ヤンデレ?ふられ萌え?

ヤンデレというジャンルは実は好きでありながら結構違和感を持っていました。だから好きだけどどっぷりにはならない。
病んでるのが好きじゃないのです。その中の一部が病む原因、振られたとか他の女に取られたとかそういうキャラクターが好きなのです。でも鉈とか持ち出したらダメです。影で一人で泣いているスガタにこそ萌えるのです。

ジャンル分け≒ネタバレ?

キャラクターのジャンル分けというのは凄まじく残酷なことではなかろうか。
ある程度そのキャラクターの運命を予告してしまうことと同義だから。
自分にとって君が望む永遠というのは今でも非常に重要な意味を持つ作品です。それはなんの予備知識も無くあれだけ登場人物の感情や運命がゆり動くさまを見せ付けられたからだと思います。
個人的には勝手にプレイ済みの人間がこいつはツンデレヤンデレ!と分類して、ましてやそれだけをつまみ出した本を出してキャラクターの運命を一方的に宣伝するというのは恐ろしいネタバレだと思う。ツンデレ読本の表紙に茜を出した馬鹿は早く地獄のうんたらかんたらですよ。
キャラクターの感情の移り変わりは最も大事にされるべき要素じゃないのか。
でもそんな書籍のライターをしている人間がネタバレ死ねよとかいう世の中。
ネタバレって何なのかが俺にはいまいち良く分かりません。これはまた気が向いたら。

振られること。それは物語に刃向かった証

エロゲばかりやってるからなのかもしれませんが(ハーレムエンドは知らね)、
「振られた」というのは基本的には物語が決定付けられたあと、即ち一対一の関係性が誰と誰との間で起こるのかがプレイヤー、作者の間で合意された後に起こることです。
劇中に出てくるキャラクターが物語に刃向かうなんていうのは下らない。特にエロゲで言えばそれは下手したら無駄なテキストです。もう、主人公と攻略対象以外は必要ない。そこまで行けば後はスパートのところ、ごちゃごちゃやってきゃっきゃうふふやってエロシーン突入で皆が納得するのです。それに何故はむかう必要があるのか?
そう、彼女たちは運命と戦っているのです。決められた物語に逆らい、自分の思いを物語にしようとするのです。しかしそれは決して叶いません。これは物語だから。もう、彼女らの次元を超えた誰かの思いをベースにしてセカイは動き始めてしまっているのです。
それにもかかわらず抵抗するキャラクター達。人間味と執念と叶わない思いに満ちた主流から外れた物語。最高に萌えるではありませぬか。


ふられ萌え。
貴方は誰が恋破れた瞬間に萌えますか?


言いっぱなしはなんなので私から紹介。
ここからの記述は以下作品のネタバレを含みます。なるべく抑えてはいますが・・・


君が望む永遠
とらドラ!!
ハチミツとクローバー
ひまわり


こうして挙げていくと漫画のほうが振られ萌え多いかもしれない。エロゲだと複数ルートで他のルートで振られたら空気化するだけのやつとかいるけど一本道の漫画やエロゲだとそうはいかないですものね。まあそれはよいとして。


アクア(ひまわり)
振られ萌えの最上位は間違いなくアクア。アクアは俺の嫁。でもそれがこっちが思うだけで良い。ディスプレイから出てきて「嫁にしてください」ってアクアが言ってきたら俺は引っ叩いてもっとディスプレイの中でもっと苦しんで来いと言う。たぶん。または偽者なのでそのまま引っ張り出して(ry
そう、アクアなのです。このジャンルの頂点に立つのは間違いなくアクアです。アクアこそ全てです。あのなっとくいかないですぅ〜な3章ももはや振られ萌えとしてのアクアを際立たすものでしかないのです。振られ萌え大全を作るなら表紙を飾るのはアクア以外ありえません。しかしアクアを振られ萌えというのはそれ自体が重大なネタバレです。だから俺はアクアは振られ萌えといわれることを全力で阻止する。


ああ・・・今日もアクアかわええ・・・・



山田(ハチミツとクローバー)
心に残るキャラクターの一人。
仕組まれた理不尽な恋をするキャラクターと思う。ほかに行く道はいくらでも残されていたのに何故?
後半彼女が出るといつも泣きそうだった。


涼宮遙(君が望む永遠)
振られたことに萌えるのではない。振られることに抵抗することに萌えるのだ。そういう萌えもあるはずだ。
病院で遙がリハビリをするシーン。あのシーンの遙の表情、声、テキスト、その全てがこれまでの俺をエロゲヲタたらしめている。
キャラクターとしては水月のほうが好きだけど振られ方、それまでの過程、振られてからの潔さは遙のほうが好き。


櫛枝実乃梨(とらドラ!)
19話、保健室でのあのシーン、校舎を彼女が走り回るシーンはこのアニメの全てを物語ります。
とらドラは振られ萌えの宝庫です。個人的には君のぞ以来、やっと出てきたか振られ萌えのための物語と思っています。
ここでは彼女を挙げましたが例えばクリスマスパーティーのあとで大河がマンションで一人になったあとのシーンは素晴らしい。竜児を想い、それ故に自分の思いを押し込み、それが爆発してしまうあの場面。振られ萌えとしてはたまらない場面です。