エロゲー界の考察に反論とかなんとか

2007-11-02 - 裏方亭
なぜに今更上半期?書かれていることには定期的に出る話題もありますがちょいと意見を。
Getchu.com 2007年上半期PCゲーム館セールスランキング
ちなみにgetchuのランキング。上位の顔ぶれだけならリトバスを除けば大きな差はなし。

3位の「D.C.2 Spring Celebration」に見られる曲芸商法や、7位にランクインした「桃華月憚」の致命的なバグ、キャラクターだけで歴史を売ったような「恋姫無双〜ドキッ☆乙女だらけの三国志演義〜」の下劣極まりないパロディ、ユーザーをコケにしているとしか思えない「ぴあ雀」など、この頃のブランドにはプロ意識が欠けている節が多々見られる。

曲芸商法を生み出したのは質の高い作品であるというのが持論。DCⅡはFD含めて非常に言い出来だったと思います。もちろん
曲芸商法とは - はてなキーワード
これには呆れるしかありませんけどね。節操無さ過ぎ。でも曲芸商法ばかり強調されて中身に言及されてる機会が少ないのは非常に残念です。そういう意味でCIRCUSはかなり損してると思うのですが・・・・
下劣極まりないパロディは大好きなので「恋姫無双〜ドキッ☆乙女だらけの三国志演義〜」には好意的だったりします。まあパロディ嫌いの人はそりゃあ嫌なのかもしれませんけど。
売る側としてのプロ意識に欠けていると考えるのであれば同意せざるを得ない。とにかくこの業界は発売延期やバグといった、仮にもものづくりを生業としているメーカーにとっては絶対避けるべき事柄に対しての反省が無さ過ぎる。内容はともかく、それを語る以前の問題に関してはどうやっても言い逃れは出来ないと思うのでいい加減なんとかしてください。

また、ノベル志向の潮流にはまだまだ歯止めがかかっていない様子。ただただ「読ませる」ためのエロゲーが巷に氾濫し、「遊べる」エロゲーは鳴りを潜めているのが現状だ。「王賊」や「聖なるかな-The Spirit of Eternality Sword 2-」こそ比較的上位にランクインしているものの、それはSLGRPGの少なさを浮き彫りにしているにすぎない。

SLGは衰退しました。というわけですか。ソースは違うけど毎年getchu上半期の30位以内のRPGSLGの本数を見ると
Getchu.com 2004年上半期PC館セールスランキング
巣作りドラゴン、KYRIE(キリエ)〜BLOOD ROYAL3〜*1ジュエルスオーシャン。アルルゥとあそぼは・・・・FDだし除外。
Getchu.com 2005年上半期PCゲーム館セールスランキング
ぱすてるチャイムContinue、鬼神楽、英雄×魔王
Getchu.com 2006年上半期PCゲーム館セールスランキング
PRINCESS WALTZ、スピたん Spirits Expedition -in the Phantasmagoria-、
と、毎年三本ぐらいなもんです。ここ数年に関して言えばこんなもんですよ。本格的なSLGが出るとなると数年に2年に1本ぐらいといっても言い。これ以前の2003年は言うまでもなく豊作の年だったのですがまあ割愛。質の問題に関しては・・・・このリストを見るとどうもなあ。
ユーザーが限られてくるエロゲで本格的なSLGRPGなどに限らず純粋な「ゲーム」を作る意義はかなり薄いしニーズも無い。というのが業界の認識なのではないでしょうか。
ゲーム性を持たせようとする意思が見えるゲームは何本か見ますがどれも技術*2、アイディアともに追いついてないのが現状だと思います。コンシューマーやPCゲームに慣れてしまったユーザーは片手間で作ったようなものではやはり満足出来ません。中途半端なゲーム性を求めないのは当然かと。

そんな中で、老舗アリスソフトがこの潮流に反発的なのはせめてもの救いではないだろうか。昨秋のこと、傑作との呼び声高い「鬼畜王ランス」がフリー宣言され、業界に衝撃を与えた事は記憶に新しいが、そんな老舗が低価格ソフトの製作を継続しているのは、こういった雑多なAVGの近況に警戒感を強めているからに他ならない。

アリスは時代に反発してるというより時代に上手く乗っているというイメージなのでちょっと同意しかねます。SLGRPGの本数にしてもままにょにょ、ぱすちゃ、大番長、DALKなどが出ていた数年前に比べてかなり減ったはず。反発的は言い過ぎでは?
最近では2007、2006年とランスシリーズ以外のSLGRPGは出しておらずむしろこの分野を切り捨てはじめている印象すらあります。もっとも20年近い歴史をもつブランドに対してたかがここ2年の動きを引っ張ってきてこんなことを言うのもちと強引な気もするのでこちらは様子見でしょう。


低価格ゲームに関してはちょっと前にエロゲのボリュームに関する議論と併せて多くの方が言及されました
■ - かちぼし*3
かちぼしさんのまとめをどーぞ。
「雑多なAVG」が出せるのが低価格ソフトのいいところだと思うんだけどなあ。


今年は凄く個性的な良作が多く、非常に恵まれた一年になりそうだと思っています。あと二ヶ月、期待作の出来に注目して参りましょう。


一部修正しました

*1:調教SLG。らしい

*2:引用している日記コメント参照。大変興味深い

*3:久々に見たおたく☆まっしぐらの記事に泣いた。