コンシューマ移植ってどうよ? - gamestyle居酒屋対談 -

http://www.game-style.jp/muda/200412/27/01izt_ml.php
かなり昔の記事です。タイムリーな話題でなおかつ興味深い対談だったので掲載。発掘してきたid:genesisさんに感謝を。彼のブクママジオススメ
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対談はすたじおみりす統括 紅涙 妖魔、ライアーソフト統括・宣伝広報 山原 久稲、PrincessSoftの宣伝広報 エリザベス吉田、Game-Style編集長 斎藤 大祐というよくわからん組み合わせです。要点を抜粋してみます。一部改変

エリザベス吉田「良くも悪くもギャルゲー部分とエロが全然一体化してないゲームってのもありますし。そういう物は相性が良いんでしょうね。特に自社で移植できない中小メーカーさんのものをね」
エリザベス吉田「無理してとってつけたような18禁シーンを入れているメーカーさんもいますし……」
山原 久稲「なんて言うんでしょうか。『俺たちはゲームが作りたいだけでエロには何のこだわりもない。がコンシューマは大変なのでとりあえずエロゲで……』という姿勢のメーカーって結構あると思うんですが。まあ個人的には潰れて欲しいですけど(笑) ……ともあれそういうメーカーさんの移植を手伝ってあげるってのは、まあアリでしょうね」

エロゲである意義を流通や参入の敷居の低さに求めているメーカーはかなり多いのではないでしょうか。最近テキスト原理主義*1のような傾向すら出ている自分としてはエロにこだわりがあろうが無かろうが読んでて面白ければそれでいいよとも思ったり。あまりに無理やりなエロシーンは嫌いだけど。

エリザベス吉田「『君が望む永遠』なんですけど、それまではソニーさんでは移植タイトルって原題が使えなかったんですよ。ゲーム雑誌でPC版の移植って書くのもNGだったんです。『君が望む永遠』は他社さんがドリームキャスト版に移植していたので、そこでソニーさんに電話して訴えかけたんです。『原題が使えないと、ドリームキャストに負ける!』って(笑))」

知らなかった・・・移植と書くのがNGだったとは。sonyは徹底してたんですね。君が望む永遠PS2が出た2003年はもうPS2の独壇場だったはずですが、DCに負けるってのはやっぱり効いたんですね。

山原 久稲「僕がコンシューマ移植を考えるときに思うのが、コンシューマとしての一般性を重要視すると同時に売るためのエッジを立てるという矛盾を成立させなきゃいけないっていうのは、今のところ両立させる手段は思いつかないですね。エロゲーってある部分の層にだけ売ればいいってのはあるんですけど、そこに甘んじているだけっていうわけにもいきませんし」

販路の拡大は重要ですよね・・・企業として、クリエイターとしてもっと上を目指すのならユーザーを増やしていくのはやはり大事だし、そうして業界の規模が拡大することでまたいいものが生まれていくのだろうし。コンシューマーの一般性とエロゲの特殊性をどう両立させて作品に個性を持たせるのか。この対談から二年経った今もこの問いに答えているメーカーはないように思えます。type-moonはかなり近づいたような気がしますが・・・


ほんの一部だけ引っ張り出しましたが他にも興味深い話が目白押しです。ぜひご一読を。

*1:絵があまりに好みに合わないときはそりゃー別ですけどね